私が43歳を迎えようとしてたときのこと。
支店長から、
「ちょっと話があるんですが、14時からいいですか?じゃあ第一会議室で」
普段フランクな支店長が、珍しく改まった口調。
違和感を感じつつ、その時間になったので会議室に入りました。
「松橋さん。
実は、450人の社員を100人にすることになりまして。
足切りラインのラインを松橋さんは下回っていたので、
本当に残念なんですが来月末ということで」
「ええ!クビっていうことですか!」
「43歳で再就職なんでできないよ!どうしよう!妻にはなんと言おう。色々な支払いどうしたらいいんだ」
まさに青天の霹靂!
この言葉を使うことなんてない、穏やかな人生だと思っていた私には大きなショック。
退職してからは、
前から夢だった講師業で独立。
しかし食えるほどの売上が上がらず、1年経過。
家賃も半年間滞納。
大家さんが毎月チェックをしていなかったとかで、
不動産会社から呼び出し。
半年分を一括で払え、
払えないならでていけという。
「払うお金はないし、引っ越しするお金もない」
じゃあ、毎月の家賃に未納分を分割して払えとのとこで、
ますます困窮。
「セミナーだけじゃ食えないからしょうがない。
就職して、土日の休みで講師業をするしかない」
と思い、転職活動をするも、
数十社すべてダメ。
集客を学ぶため、経験のないマーケティング会社ばかり応募したせいもあるけど、
44歳では新規で雇ってくれるところがない。
ある会社では、社長が28歳東大卒。
「休みがほしいとか、早く帰りたいとかいう人は、
うちの会社ではやっていけないです。
あそこのスタッフは、1週間、家に帰ってないです」
いやいや、年齢的に断りたいだけでしょ。
ある会社では、
「セミナー講師として独立したなら、このツールを導入しませんか?」
面接に行ったのに、売り込みされる始末。
このままじゃ、また家賃が払えない。
家から出ていけとまた言われてしまう。
やむおえず時給900円の引越のバイトに。
引っ越しの仕事で何が一番きついかといえば、
年齢的に重いものを運ぶよりも何よりも
20歳そこそこの社員から、怒鳴られっぱなしなこと。
「そんなのも持てねえのかよ!」
「違うっていってんだろ!資材の名前も知らねえのかよ!」
毎日罵倒されて、
「人生最悪だ・・・」
酒を飲んで気を紛らわす毎日。
●出版しませんか?
そんなときに、ある出版社からの電話が。
「初めまして!ブログを見て感動しました。ぜひ弊社で出版をしていただけないかと思いまして」
「ええ!ほんとですか!」
「はい、内容がとてもよくてぜひとも。詳しくお話をお聞きしていいですか?」
「ええ、もちろんです」
「今お仕事は、NLPという心理学を教えてらっしゃるということですが、、
もう出版が決まったような担当者の口ぶりに私はもう有頂天!
質問されたことに全部答えて、
出版社での打ち合わせのアポも決まったところで、
すでに30分くらい経過。
「では、来週よろしくお願いします」
といい、電話を切る寸前に、ふと思いついた質問をしてみました。
「あ、確認ですが、出版には費用はかかりませんよね?」
すると、5秒ほどの無言のあと、
「編集費用、デザイン費用、あと2千部印刷のうち、千冊を買い取りをお願いしていています」
「合わせておいくらですか?」
「編集費用がこれこれ、その他合わせて250万円、
もし、表紙デザインや校正は要らない等の場合は200万円です」
「・・・・・・・あのー、
今、時給900円のバイトで食いつないでいるんで、200万とか払えないです」
「そうですか、残念です。ではまたの機会に」
電話を切ったあと、天にも昇る高揚感から、
地獄に突き落とされたような喪失感。
バイトでは怒鳴られる毎日。
44歳も目の前なのに、
最悪の人生。
●またまた出版しませんか?「費用がかかるならやりません!」と返事してしまった!
それから2週間後、
あるメールが届きました。
「初めまして。明日香出版社です。
『聞き方のルール』というタイトルで本を書ける著者を探しています」
また、売り込みか!
「出版のお声がけをありがとうございます。費用負担は一切お断りしています」
とさっそく返信。
「いえ、一切の費用負担はありませんのでご安心ください」
※編集者いわく
「最初から『費用負担は一切お断りしてます』などという感じの悪い著者さん、
編集人生で松橋さんだけですよ。
この人に執筆を頼むをやめようかなと思いましたよ」
と2008年年の話を、会うたびに編集者に言われます(笑)
打ち合わせが終わり、
「企画書をいただきたいのですが、どれくらいで送っていただけますか?」
「そうですね、一週間ほどいただければ」
帰宅してからは人生一番の踏ん張りどころだと思い、
翌週に提出を約束した企画書を、
深夜までかけて書き上げる。
そして、翌日朝9時に送信。
「こんなに早くありがとうございます。
社内の企画会議は2週間後なので、結果が出たらすぐにお知らせします」
そして社内の企画会議での最終決定を待つことに。
いよいよ企画会議の日。
朝から緊張。
午前中に連絡してくれると言っていたのに、
13時過ぎても連絡がない。
「ああー、企画会議を通らなかったのか!?」
すると14時頃、
「企画会議を通りました。執筆の締め切りは半年後出お願いします」
メールを読みながら、叫んだ!
(「おーー!やった!半年後には著者になれる!人生が変わる!」)
●出版したら時給が110倍に!
出版するとさっそく、
日本トップの不動産会社から研修の打診があり、
打ち合わせに行きました。
「では、その研修をお願いするかどうかは、
今、結論を出せませんが、
依頼するとしたら、2時間で講師料はおいくらでしょうか?」」
普段、下請けで講師をやっているときは数万円。
なので、5万円、いや8万円、
いや著者の一般的な価格とされる金額で言ってみようと思い、思い切って
「20万円です」と言ってみた。
すると、「わかりました。ではそれでお願いします」
アルバイトを一ヶ月フルにやっても15万円。
それが2時間しゃべって20万円!
時給が110倍に跳ね上がりました!
ここから私の講師人生も好転し始めました。
その会社の研修は、毎月1回で、9年ほど続きました。
●出版で人生は変わる
Facebookだ、インスタだ、
いや動画だ、
と、ブランディングの方法はたくさんありますが、
やっぱり出版が最速のブランディングだと思います。
ということで、
出版セミナーを久しぶりに開催します。
今から何かを成し遂げたい!
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